1995 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク児の心理診断からみた発達予測に関する検討
Project/Area Number |
07610133
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大野 博之 九州大学, 教育学部, 教授 (00037037)
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Keywords | ハイリスク児 / 超低体重出生児 / 発達予測 / 心理診断 / 発達検査 / 行動特徴 |
Research Abstract |
発達の初期において何らかの要因により順調な精神および神経の発達が阻害されたり、障害が発生する可能性を高く有する乳幼児のことをハイリスク児と呼ぶ。出生体重は今日使用されている重要な指標の一つであるが、これを基準として分類した場合、1,500グラム以下を極低出生体重児、1,000グラム未満を超低出生体重児として区別される。ハイリスク児の発達の法則性を明らかにするためには、彼等の発達の推移を明確にすることが大きな手掛かりになる。それにより発達予測に関係する指標を検出し、比較的早期の段階で援助が必要か否か、援助の内容や時期についての判断ができるような心理診断システムを構築することが可能になると考えられる。本年度は諸種の心理検査の結果を収集することに重点をおいたが、すでに収集された諸種のデータを分析中であるが、1歳時、1歳半時、2歳時、3歳時、4歳時に縦断的に行った超低出生体重児における遠城寺式乳幼児発達検査の結果によれば、3歳までの発達指数の増加が著しく、3歳から4歳にかけて安定していることがわかった。移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解などの下位項目においてもほぼ同様の傾向が示されていることから、3歳の時期には、ある程度の発達状況と発達の可能性を把握することが可能であることが示唆されると同時に、発達に歪みがある子どもについては詳細な発達分析と援助内容に関する検討の必要性が確認された。なお、注意散漫や落ち着きのなさ、動きの少さなどの行動特徴が知能や発達に影響を及ぼす可能性もあり、この点も他の心理検査の結果と併せて検討を進めているところである。
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[Publications] 大野博之: "新生児期における発達臨床心理学の課題-ハイリスク児について-" 発達臨床心理学研究(九州大学教育学部障害児童学講座紀要). 3巻. 1-16 (1995)
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[Publications] 瀬戸日登美・大鶴香・大野博之他: "極低体重出生時をもつ母親の心理過程とその援助について" 日本未熟児新生児学会雑誌. 3巻. 568 (1995)
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[Publications] 戸川芳枝・橋本重二・大野博之: "超低出生体重児の発達予測に関する検討" 日本特殊教育学会第34回大会発表論文集. 34巻(発表予定). (1996)