1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田嶌 誠一 九州大学, 教育学部, 助教授 (70163459)
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Keywords | イメージ / イメージ療法 / 不安 / 心理療法 |
Research Abstract |
壺イメージ法はいくつかの壺を思い浮かべ、その中へ入って中の感じを味わい、外へ出て蓋をするという手続きを骨子とするものである。この技法は既にさまざまな事例に効果が確認されているが、もっぱら臨床的研究が行われてきた。そこで、本研究では非病者(健常者)を被験者として実験的イメージ面接を行ない、その基礎的研究を行なった。実験的イメージ面積に際しては、ビデオ撮影による記録を行ない、また面接終了後はイメージ体験を把握するために、浮かんだイメージについて描画と質問紙を行ない、それらのデータを分析し、違いを検討した。 前年度の実験では、壺はフリー・イメージと洞窟との中間的なものであり、また壺イメージでは入れない壺が出現する場合があることがわかった。平成8年度は、心理テストによって不安の高い群と低い群とに分け、両群に壺イメージ法を実施し、イメージ体験の特徴の違いを検討した。その結果、高不安群は不快なイメージを想起しやすく、また入れない壺が低不安群よりも多く出現するなど、体験様式のレベルが低いことが明らかになった。このことから、壺イメージ法がパーソナリティや心的状態の見立て・診断に役立つことが実験的に確認された。さらに、壺イメージがどのような特徴を有し、なぜ効果的であるのか、イメージ技法や壺イメージ法でなぜ人が癒されるのかについても総合的に考察し、「イメージ体験情報処理」理論を提出した。
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