1996 Fiscal Year Annual Research Report
長時間にわたる抜きつ抜かれつの競争と集団成員の動機づけの変動に関する実験的研究
Project/Area Number |
07610138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
釘原 直樹 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60153269)
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Keywords | 動機づけ / 集団 / 競争 / 勝敗 / 日米比較 |
Research Abstract |
91年から94年の4年間の日本のプロ野球の1軍(セパ両リ-グ、12チーム)と90年から93年の4年間のアメリカ大リ-グ(ナショナルリ-グ12〜14チーム、アメリカンリーグ14チーム)の勝敗の時系列変化を分析した。もし勝利が次の勝利をもたらすとするなら、勝った試合の後、勝つ確率が高くなることが考えられる。また勝利が連続するほどますます次の試合に勝つ確率が上昇すると考えられる。一方負けが次の負けを誘発するなら負けが込むほどますます負ける確率が高くなると予測される。分析により次のような結果が見いだされた。 日本のプロ野球では4年間の全球団の試合数は3132試合であった。故に各球団当たりに試合数の総計は3132の2倍の6264試合(引き分けも含む)となる。その内の勝利の数は3074試合であった。2連勝は1514、3連勝763、4連勝397、5連勝200、6連勝107、7連勝60、8連勝31、9連勝15であった。勝敗が同じ確率で生起するとすれば、2連勝の生起期待値は3074の半分の1537となる。同様に3、4、5、6、7、8、9連勝数はそれぞれ769、384、192、96、48、24、12となる。上述の結果から実際のデータと期待値は殆ど変わらないことがわかった。ただ2、3連勝までは若干期待値の方がデータよりも大きい値を示しているが、4年間以上ではデータが期待値を上回る傾向がある。 一方大リ-グの4年間の全球団の勝利数は8571、2連勝は4385、3連勝2224、4連勝1132、5連勝578、6連勝307、7連勝162、8連勝89、9連勝54であった。2、3、4、5、6、7、8、9連勝の期待値はそれぞれ4286、2143、1071、536、268、134、67、33である。大リ-グの場合は実際のデータが全て期待値よりも大であった。これは処理の後の試合は勝つ確率が偶然値よりも若干高くなることを意味している。即ち勝利が勝利をもたらす傾向があることが明らかになった。また日本のプロ野球よりも大リ-グの方がその傾向が強いことも見いだされた。
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