1995 Fiscal Year Annual Research Report
ボランティア・カウンセラ-養成訓練における共感能力の向上に関する研究
Project/Area Number |
07610139
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
池田 光幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10159634)
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Keywords | ボランティア・カウンセラ- / 共感能力 / 養成訓練 / 傷つき体験 |
Research Abstract |
1.研究の骨子と研究費使用の関係、および研究の進捗状況 本研究は大きく別けて次ぎの5つの部分からなる。(1)傷つき体験についてのアンケート調査、(2)アンケート調査の際に募集した研究協力者の選定。(3)集団面接と個人面接。(4)ロール・プレイ。(5)集団および個人面接とロール・プレイの評定。集団面接の録音のため感度の良いテープレコーダーの購入に備品費を充当し、選定された20名の研究協力者に集団面接、および個人面接の謝金を支払い、また面接評定のための資料作成者と、評定者に謝金を支払った。現在評定結果を整理中である。この研究の骨子は平成8年度にも継続し、全部で40名の評定データを収集する予定である。 2.これまでの研究結果 本研究は萠芽的研究の1年目であり未だ研究途上にあるが、これまでの研究経過とその中で観察された印象深い事実について述べる。 (1)アンケート調査:アンケートは家庭生活総合カウンセリング・センターの2級養成講座の受講性に実施し、配布数は116、回収数74(63.8%)であった。これまでの傷つき体験を振り返るというアンケートの内容からすればかなり高い回収率であった。傷つき体験の内容としては親との関係や恋愛関係の頻度が比較的高かったがバラツキも大きい。 (2)研究協力者の選定:アンケートに際しさらなる研究の協力者を募集した。回答のあった74名中34名(45.9%)の協力承諾者があった。研究承諾者は非承諾者に比し講座受講の動機と傷つき体験との関係が「非常にある」と回答する者が多かった(5%有意)。承諾者の中から3つの体験について記載のある者、その他一定の基準を設け20名の研究協力者を選定した。 (3)集団面接および個人面接:20名を3グループに分けそれぞれ2回、毎回120分の集団面接と、1回の個人面接を実施した。面接から受けた印象は被検者は一定程度傷つき体験を乗り越えてきており、この研究に参加することでもう一歩気持ちを整理したいとの思いを抱いているようであった。非常に積極的に調査に参加し、集団の中で自らを語ることでさらなる気持ちの整理や、癒しの体験にもなったものと思われた。個人面接では2名が、集団では語らなかった体験を新たに語った。 (4)ロール・プレイ:ロール・プレイは通常のカウンセラ-養成講座のプログラムの中で実施したが、次の評定作業を考慮し、相談内容のバラツキを小さくするためあらかじめ2つの相談ケースを用意しどらちかを演じさせた。 (5)面接およびロール・プレイの評定:現在作業中である。
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