1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラテンアメリカ日系人の精神保健に関する研究-日系人留学生の調査から-
Project/Area Number |
07610148
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
角川 雅樹 東海大学, 外国語教育センター第二類, 助教授 (90188607)
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Keywords | 日系人 / ラテンアメリカ / 移民 / アイデンティティ / 精神保健 / 留学生 / スペイン語 / ポルトガル語 |
Research Abstract |
申請者はすでに、平成7年度から2年間にわたり、JICAを通じて来日しているラテンアメリカからの日系人留学生を対象に、MMPI(心理テスト)のスペイン語版とポルトガル語版を施行。各年度20名分の同テスト結果が得られたのと同時に、その結果を各自にフィードバックする機会に、面接調査を実施し、その資料も蓄積している。平成9年度も同じ形式で実施。すでに、テスト結果と面接資料が得られ、各テストの集計、プロフィール化、および全体集計の作業を終え、分析作業を進めている段階にある。 今年度は、これらの結果について、メキシコ国立自治大学や日墨協会関係者らと一緒に検討、資料の正確さを期した。また、移民県ともいうべき沖縄に出向き、県立図書館等において、必要な資料の検討をしてきた。また、那覇市へ留学してきている人もいるため、その人と現地において接触することも行なった。購入したパソコンを用いて、とくに表計算ソフトによる整理と、MMPIプロフィールの作成および印刷を行なう準備ができた。これにより報告書作成などについても、印刷費用を節約し、自前で印刷原稿を作成することができるようになった。また、昨年度度購入のカメラ等による画像資料の整理も進み、貴重な資料の集積が進みつつある。 なお、本調査の対象としている日系人は、みな知的にも高い水準にあり、調査の重要性に理解を示すとともに、優れた洞察力を持ち、ラテンアメリカでの生活や現状について、的を射た言葉で表現してくれるのを、面接中に何度も経験した。また、留学費用を受けとっているという意識が、日本の科学研究費による本調査への積極的協力姿勢につながっているという印象を得ている。これは、日系人労働者たちを対象とする調査研究では、得られないもので、ある意味で、地の利を得た調査ということができる。
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