1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610163
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大坪 正一 弘前大学, 教育学部, 助教授 (80194215)
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Keywords | うたごえ運動 / 文化運動 / 大衆運動 / 青年運動 / サークル |
Research Abstract |
仙台市にある東北音楽センターに保管されている資料の収集を進め、40年にわたる宮城のうたごえ運動関係者(団体)のリストとその歩みが整理されつつある。特に、運動の空白期であった1989年〜52年と56年〜57年が、関係者との聴き取り調査等によってある程度埋まりつつある。宮城の運動と中央(日本のうたごえ全国協議会)との関連も、中央の資料によりある程度集まりつつある。中心合唱団としての仙台合唱団と仙台市内のサークルとの関連、または東北各県との関連では、仙台と山形、岩手の資料が整理されつつある。 まず、55年時における中央と宮城の運動理念上の対立点(職場に入り込み青年を組織するという階級的運動論と、うたごえ運動の巾広論=運動の大衆化と音楽運動としてのうたごえ運動との対立・矛盾)が明らかにされ、その観点は現在までも内部に引き継がれていることなど、研究上の視点が提示されたことは大きい。この中で、人物史を通して運動史を検討するという視角が導かれた。しかし逆に、中央における資料の整理状態が悪く、特に40年代の資料が散逸しており、現在全国に呼びかけて収集中である。また運動のリーダーに対する面接調査を行い、人間関係やそのメンバーの歩み(生活史)をもとに、他の地域づくり運動(労働運動、自治体運動など)との関連を検討するために、OB会を企画し個人あてのアンケート調査を行ったが、出席者が少なくてデータとしては不十分なものとなっているので、再検討したい。
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