1995 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・バブル期大都市における階層分極化に関する研究
Project/Area Number |
07610168
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
町村 敬志 一橋大学, 社会学部, 助教授 (00173774)
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Keywords | 社会階層 / 都市政策 / 外国人労働者 |
Research Abstract |
1)理論的検討作業の成果 特にヨーロッパ諸国で近年展開した研究をフォローしながら、日本及びアメリカの事例との異同について検討を進めた。このことから、マイノリティ・都市下層向けの社会政策、住宅政策の動向を、階層分化の説明変数として考慮する必要性が明らかになった。 2)マクロ・データを用いた階層変動についての時系列的分析 1995年までの賃金センサス、雇用関係諸統計、国勢調査等を使用しながら、東京圏における社会諸階層の量的変動について、特に、バブル経済前後の比較を中心に検討を進めた。主な結果は以下の通りである。 (1)バブル期にかけて、賃金が全般に上昇する中、特に35才〜55才の壮年層の賃金が相対的に上昇し、全体として年令間隔差が縮小したが、バブル崩壊後、壮年層から老年層の賃金が相対的に低下し、格差が拡大した。 (2)中途就職者の職種が、一般事務からブルーカラー職へと大きく変化しつつあり、部分的な階層低下傾向が見られる。 (3)女性の階層はこの間さほど大きな変化は見られないが、賃金面では年令間格差が減少する傾向が見られる。 (4)バブル期にかけて、外国人が専門・管理・技術職層へ大きく進出し、その傾向はバブル崩壊以後も大きくは変わっていない。ただし、東京近郊では、労務職への集中が一層顕著になり、全体として外国人内部での社会階層分化が明確になっている。
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