1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610210
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
坪内 玲子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (80081032)
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Keywords | わが國近世 / 「家」 / 家系継承 / 長男相続 / 家督 / 養子 / 婿養子 |
Research Abstract |
日本の伝統的家族は、「家」の世代的永続性を理念として形成され、長男による継承がその中心部を占めていたが、女子および次男以下の男子も、継承線のなかに組み入れられることもあった。継承線から外れた親族成員(特に二、三男以下の男子)がどのような形で生活の道を見出したかは、「家」制度、ひいては日本社会の構造と変質の理解にとって重要な問題であるにもかかわらず、その本格的な究明が行われたことはなかった。本研究計画においては、江戸中期以降を対象として、系譜資料などを手がかりに、「家」の周辺成員の動向を計量的に捉えながら、この問題への接近を試みた。従来の「家」研究は、法制や理念にかかわるものが多かったが、申請者は、「家」から疎外される立場にある二、三男以下のものが、いかに扱われ、いかに自分のおかれた状況に対処してきたかを実証的に検討した。この観点から日本社会の変動の契機を探るとともに、近年その進展が著しいわが国における社会経済史や歴史人口学の分野との関係づけを試みた。実際には、二、三男が養子または婿養子として他家の継承に組み入れられることがきわめて多く、このことが、高死亡傾向および少子によって特徴づけられるわが国の伝統的家族の人口学的特性に相関していることが明らかになった。 具体的な分析作業は、盛岡南部藩を中心に行い、前家督者の弟、甥、婿養子、養子などによる相続の事情を明らかにし、あわせて二、三男の身の振り方を追跡した。このほかに、秋田佐竹藩、加賀前田藩、会津藩、萩藩等に関しても資料の収集整理を試み、比較検討の体制を確保した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 坪内玲子: "鹿児島島津藩における家系継承をめぐって" 龍谷紀要. 17-1. 17-25 (1995)
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[Publications] 坪内玲子: "南部藩家臣における家系の断絶" 龍谷紀要. 18-1. 1-14 (1996)
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[Publications] 坪内玲子: "加賀前田藩藩士における家系継承" 龍谷紀要. 18-2. 1-12 (1997)
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[Publications] 坪内玲子: "秋田佐竹藩々士における家系の継承-継時的変化を中心に-" 龍谷紀要. 19-1. 1-10 (1997)
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[Publications] 坪内玲子: "萩藩藩士における家系継承-主として加賀前田藩・鹿児島島津藩と比較して-" 龍谷紀要. 19-2. 1-10 (1998)
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[Publications] 坪内玲子: "近世における家系継承と人口学的要因-会津藩藩士の場合-" 比較家族史研究. 12. 11-28 (1998)