1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610218
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
小林 淳一 福岡大学, 人文学部, 教授 (20113243)
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Keywords | ミクローマクロ問題 / 数理モデル / 比較静学 / マハコフ連鎖 |
Research Abstract |
(1)ミクローマクロ問題にかかわる既存の業績を整理・検討した結果、以下の事柄を明らかにすることができた。 1.社会学におけるミクローマクロ問題を解決するためには、数理モデルを活用することが不可欠であり、この点で従来の議論には大きな欠陥があること。 2.社会ネットワーク研究にとっても大きな成果であるMontogomery, J. D. 1994 “Weak Ties, Employment, and Inequality." American Journal of Sociology. 99 : 1211-1326の議論の不明確さは、個人状態の推移率(ミクロな変数)から社会全体の雇用率と雇用の不平等度という2つのマクロな変数によって直接に表示したうえで、「合成関数の微分法」を適用することで取り除くことができること。それと同時に、ミクローマクロ問題を表現するのには、いわゆる「比較静学」といわれる手法が有効であること。 (2)とくに前述2.の成果を踏まえ、比較静学の手法を「構造効果」の問題に適用した。その結果、以下の事柄を明らかにすることができた。 1.社会学における典型的なミクローマクロ問題である構造効果は、パラメタが個人属性の集計値である特殊な形の比較静学分析の問題として処理できること。 2.構造効果は、個人行動のレベルに関する適切な仮定にのみもとづく数理モデルから演繹的に導出されるものであること。
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