1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610222
|
Research Institution | Kinran College |
Principal Investigator |
藤本 信子 金蘭短期大学, 家政科家庭経営専攻, 助教授 (40209101)
|
Keywords | 家族生活 / 職業 / 親子関係 / 夫婦関係 / 性役割 / 労働条件 / 労働問題 / 家族問題 |
Research Abstract |
家族体系が職業という外体系と出会うところで何か起きているかを探るために、職業上の要求を満たすことと家族生活から生じる要求の充足とが対立・矛盾する場面において、人々はどちらの要求をどの程度に優先させようと考えているか、つまりこれら2つの体系の両立に関してどのような意識を持つか、この点を明らかにするために、職業属性、家族属性、3つの両立のタイプ、家族生活の満足度、家族生活への職業の影響、性役割観という6つの変数群に関して24問の質問からなる有職男性・有職女性へのアンケート票を作成した。 調査は第1期(1995年10月から11月末)と第2期(1995年12月から1996年2月中旬)に分け、前期は手渡しによる配布・回収、後期は手渡しによる配布と郵送による回収という方法で実施した。有意抽出のサンプル総数940、うち有効票813、不完全票31、回収不能票96、粗回収率89.8%、有効票回収率86.5%となった。結果の概要については報告書(印刷物)を作成した。以下、要点のみ列挙する。 ・職業との両立への賛成率の高い順に家族領域をみると、子育て、老親の世話、夫婦関係となっており、夫婦関係にくらべて親子関係優先の傾向が認められる。 ・両立方法のタイプ別では、自己改革型より構造改革型への賛成者率が高い。構造改革型のなかでは、家族の協力体制や家族の相互理解をつくりだすという家族組織の変革が第一にあげられており、周囲の考え方を変える、仕事・つき合いを減らすなど家族外の社会構造への働きかけはその次である。 ・成り行きにまかせるとか、老親・配偶者はほどほどにして仕事に力を入れるという両立放棄にちかい方法への賛成者率は極端に低い。 ・性別比較では、男性には仕事・子育て・老親・妻のために全力をつくすという方法への賛成者率が高く、女性には家族の協力・相互理解など家族組織の変革という方法への賛成者率が高い。
|