1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610223
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Research Institution | Oita prefectural college og arts and culture |
Principal Investigator |
吉良 伸一 大分県立芸術文化短期大学, コミュニケーション学科, 助教授 (40158879)
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Keywords | 過疎化 / 高齢化 / 家族構成の地域特性 / 孤独感スケール / 高齢者福祉 |
Research Abstract |
過疎化と高齢化の地域的特性について、統計データに基づく計数的分析と特徴的な地域について実地調査を組み合わせて実施した。 中国ブロックは過疎地域の高齢化が激しいが、平成7年度にその典型として山口県玖珂郡錦町の府谷地区の全戸について世帯調査を実施した。また、新潟県新井市の近郊農村四ツ屋地区について集落調査を実施した。平成8年度は、山口県錦町60歳以上の全高年者について悉皆調査を実施した。また、大分県日田郡上津江村白草地区・若林地区の2地点について全戸世帯調査を実施した。平成9年度は上津江村60歳以上の高年者の悉皆調査を行った。また、熊本県天草町集落調査・宮崎県高岡町集落調査を実施した。計数的データについては、全国市町村の国勢調査・農業センサス・過疎地域データの入力をおわり分析を進めている。 山口県錦町での調査結果の概要は以下の通りである。単独世帯と夫婦のみの世帯が全国・山口県平均と比べ多い。結婚している子どもとの同居は17.7%と全国・山口県平均を大きく下回る。別居子との時間関係は1時間から半日で近くの山口県・広島県が多い。大分県上津江村高年者調査では、結婚している子どもとの同居は32.0%とほぼ全国・大分県平均である。長男との同居が多い。九州南部の高齢者は遠距離別居・中国山地過疎地域では近距離別居が多い。大分県上津江村では比較的同居が多い。家族構成にかなり大きな違いがある。 両地域に共通の結果は以下の通りである。幸福感や生活満足度は高いが、不安感も高い。各種在宅サービスの需要が急速に増大しつつある。過疎地域の高齢者というと暗いイメージがあるが、子どもから援助されるより子どもや孫への援助の方が多い。
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