1995 Fiscal Year Annual Research Report
児童の高齢者観に影響を及ぼす福祉教育プログラムの開発とその効果測定に関する研究
Project/Area Number |
07610225
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
中野 いく子 (財)東京都老人総合研究所, 社会福祉部門, 研究室長 (40141808)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 陽明 (財)東京都老人総合研究所, 社会福祉部門, 研究員 (00198128)
|
Keywords | 児童の高齢者観 / 老人イメージ / SD法 / 老人観スケール / 児童と高齢者の交流 / 交流プログラムの効果測定 |
Research Abstract |
1,児童の高齢者観を測定するためのスケールの開発を行った。我々は、Olejnik & LaRue(1981)の「高齢者観スケール」およびSeefelt et al.(1977)のCATEスケールの中の「SD」などを参考にスケール開発に取り組んできたが、小学生、中学生、高校生を対象とした3回の調査で使用・改良を重ねてきた結果、ほぼ満足できる独自のスケールの開発に成功した。 2,これまでの小学生、中学生を対象とした調査に加えて、今回、高校生(1,305名、東京・埼玉)を対象とした調査を行ったことにより、年齢(学年)による高齢者観の比較分析を行うことができた。我が国の児童は、北米の仮説に反して、全体的にみれば、肯定的な高齢者観を抱いていること、しかし、年齢(学年)が上がるほど肯定の度合いが低くなること、また、因子分析の結果、高齢者の人格的側面については、小・中・高校生とも肯定的に評価したが、高齢者の身体的側面については、小学生以外は若干否定的に評価しており、我が国の児童も一部否定的な高齢者観を抱いていることなどが新たな知見として得られた。なお、高齢者観に影響を与える要因としては、「学年」と「高齢者との過去の交流経験」が重要であることが判明した。このことは、高齢者への偏見や虐待を防ぐための交流プログラムの導入は低学年児童ほど効果的であることを示唆している。 3,そこで、小学生を対象とした交流プログラムの開発に向けて、文献収集を行ったほか、交流プログラムを実施している施設のヒヤリング調査を行った(江東園、金沢市第3善隣館など)。それらを踏まえて、現在、交流プログラムの原案を作成し、来年度の介入研究に向けて準備を進めている。
|