1996 Fiscal Year Annual Research Report
占領下の教職追放が教育行政機関・教育団体の人的構成・機能に及ぼした影響
Project/Area Number |
07610231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
明神 勲 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (10113680)
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Keywords | 教職追放 / 占領政策 / レッド・パ-ジ / 教育改革 |
Research Abstract |
1.GHQ文書を中心とする資料調査・収集および文献収集は前年度に引き続き予定どおり進行している。この間、国立教育研究所所蔵の戦後教育資料、都道府県教育史を中心とする資料収集を行った。また、ケース・スタディとして北海道について道庁文書館を中心に資料調査をおこなった。 2.占領後期の教職追放(教職員レッド・パ-ジ)については、CIEのレッド・パ-ジ政策の形成・確立とレッド・パ-ジが教育団体に与えた影響について解明を進め、その一部は論文にまとめた。この結果、CIEのレッド・パ-ジ政策が1948年8月に台頭し、その修正・転換を経て1949年6月に確立したことを明らかにできた。また、レッド・パ-ジが教育団体の人的構成、機能に与えた影響(北海道、東北地方を中心に)についての分析を進めまとめの準備をした。 3.占領初期の教職追放(ホワイト・パ-ジ)については、資料収集が進展し既往研究の整理と合わせてその分析を進めてきた。この過程でいくつかの問題点が明らかになった。第一に、この分野はこれまで未開拓の分野であり既往研究の蓄積が極めて少ないことである。第二に、北海道のケース・スタディで明らかになったが、一般的にこの分野に関する資料が極めて乏しく、さらに研究課題のテーマを解明するための資料となると一層収集が困難であるということである。新たな資料の調査・収集と分析により、これらの問題点の打開が今後の課題として残されている。
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