1997 Fiscal Year Annual Research Report
占領下の教職追放が教育行政機関・教育団体の人的構成・機能に及ぼした影響
Project/Area Number |
07610231
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
明神 勲 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (10113680)
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Keywords | 教職追放 / レッド・パ-ジ / 占領政策 / 戦後教育史 |
Research Abstract |
1.前年度までの資料及び文献調査・収集の結果を検討し、GHQ文書(CIE、GS、CAS文書)及び国内資料(都道府県教育史等)の補充収集を行った。また、GHQ文書についてはこれまでに収集したフイッシュ毎にカード化する形で資料整理を行った。 2.占領初期の教職追放(ホワイト・パ-ジ)については、次のことを明らかにした。 (1)教職追放が中央レベルの教育行政機関である文部省幹部の人的構成とその機能の変化に及ぼした影響を分析した。教職追放の結果、文部省の戦時中の大部分の幹部が排除され、これにかわり自由主義的傾向を有する学者、民間人が登用された。このような人的構成の変化は、文部省がGHQの指導する教育民主化の機能を担保する機関へと転換することを可能とした。 (2)都道府県レベルにおける教職適格審査の実態と特徴を分析し、追放者を最小限にとどめるという審査委員会の共通した姿勢とその結果追放が1%に満たない小規模なものとなったことを明らかにした。教職追放が都道府県レベルの教育行政機関の人的構成と機能の変化に及ぼした影響の分析は今後の課題として残った。 3.占領後期の教職追放(教職員レッド・パ-ジ)が教育組合の幹部構成及びその機能に与えた影響を、地方レベルでは群馬県を事例とし、中央レベルは日教組大会における動向を素材に分析した。レッド・パ-ジを前後する時期に、左派から右派への幹部構成の大きな転換が地方レベルでも中央レベルでも起こっていたことが確認された。また、幹部の人的構成の変化は運動路線の変化を伴っており、GHQが唱導していた反共主義、協調主義を前面に掲げた運動路線が支配的となった。
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[Publications] 明神 勲: "教職員レッド・パ-ジ概要ノート(その5)" 北海道教育大学紀要(第1部C). 第46巻2号. 33-40 (1996)
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[Publications] 明神 勲: "占領下日本の大学とレッド・パ-ジ(その2)" 北海道教育大学紀要(第1部C). 第47巻1号. 45-53 (1996)
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[Publications] 明神 勲: "占領下日本の大学とレッド・パ-ジ(その3)" 北海道教育大学紀要(第1部C). 第47巻2号. 33-45 (1997)
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[Publications] 明神 勲: "占領下日本における教職追放" 釧路論集. 第29巻. 245-257 (1997)
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[Publications] 明神 勲: "占領下における教員レッド・パ-ジと教員組合" 北海道教育大学紀要(第1部C). 第48巻2号. 33-47 (1998)