明治期長野県の小学校における近代的時間構造の形成と定着に関する実証的研究

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07610236
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 水本 徳明 筑波大学, 教育学系, 講師 (90239260)
• Keywords: 小学校史 / 時間構造 / 長野県

Research Abstract

1.研究の実施結果-中野市立図書館所蔵(旧)日野村関係史料の閲覧,収集,分析
中野市立図書館には(旧)日野村関係史料として,明治初期からの教育行政関係資料(県,郡の規則,学齢簿等),学校内部資料(学校日誌,県・郡との往復文書綴り,諸規則綴り,校長会関係文書等)が豊富に所蔵されている。それらを閲覧,複写し収集し,パーソナル・コンピュータを使用して,上記資料から年表データベースを作成し,分析した。
2.研究の成果
現在までの分析によって,明治20年代における学校日誌の記載事項の変化や児童の入学年齢,入学時期の変化を明らかにすることができた。その結果,(旧)日野村においては明治20年代後半に,入学年齢の一定化と入学時期の定期化が進行したことが明らかになった。
とくに明治20年以降の学校日誌の分析を通じて,研究目的の(1)時間サイクル・リズムの側面において,学校に年度,学期,学校行事等によって区切られる時間サイクル・リズムが形成され,定着する過程を明らかにすることができた。また,明治20年代に習俗的な行事による学校に臨時休業がみられなくなることが明らかになった。そのほか,(2)年齢主義の側面,(3)時間管理の側面についても,学籍簿や学校内規などの分析を行った。