1996 Fiscal Year Annual Research Report
「社会教育専門職」の高等教育レベルにおける養成システムの形成
Project/Area Number |
07610256
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
高岡 信也 島根大学, 教育学部, 助教授 (90144782)
|
Keywords | 生涯学習 / 社会教育専門職 / 社会教育主事 / 社会教育実習 |
Research Abstract |
従来、生涯学習(社会)論の多くは、新たな「学習・教育システム」の構築の課題を、いくつかの下位システムの問題、例えば、学習情報提供システム論、生涯学習行政システム論等として展開してきた.しかし一方、これらシステムの稼働に従事する人的資源ないしは行政担当者としてシステムの計画化(企画・立案・評価を含む)に直接関わる者の資源・能力に関する精緻な研究はいまだ十分に展開されていない。 本研究は、このような研究の実態を踏まえ、具体的には次のような研究課題を設定し、生涯学習社会に適合的な専門職としての社会教育専門職、とりわけ社会教育主事(補)の養成のあり方を検討しようとするものである。 研究実施2年度にあたる平成8年度においては、前年度調査の分析をさらに進めるとともに、調査結果を踏まえて、「社会教育専門職の高等教育レベルにおける養成」に関する理論モデルの検討を行った。その際、特に、次の二点について検討を進めた。 1.「社会教育主事講習規定」改訂の基礎となった「社会教育審議会答申(成人教育部会・昭和61年)に示された「大学における社会教育主事養成カリキュラム」の分析を踏まえ、生涯学習指導者養成にかかる教育課程のあり方、とりわけ理論的教育と実践的・実務的教育の構造化を中心に考察した。 2.「社会教育実習」のあり方を検討し、実習プログラムの開発を行う目的で、島根大学学生(社会教育専攻生)を対象とする実験的プログラムを実施し、「事前、事後における調査」を行うことによってその効果を測定した。プログラムは、国立三瓶青年の家の協力の下に実施し、延べ、14泊16日にわたる相当長期の実習体験を課したが、学生の社会教育への実践的関心を喚起することに大きな成果があった。また、青年の家の事業内容に関する見直しの時期に符号したため、指導者養成プログラムとしての有効性について、当該施設と十分な議論ができた。
|