1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 治彦 岡山大学, 教育学部, 助教授 (50188322)
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Keywords | 社会教育史 / 青少年教育 / 少年団 / 学校と地域の連携 |
Research Abstract |
本年度は目標は、鈴木利貞の主著である『社会的陶冶と幼年会の実際』及び『細谷川(梗概)』をワープロ入力するとともに、次年度これを資料集として刊行するために校閲し注釈を付けることであった。前者についてはすでに昨年度ワープロ入力は完了しており今年度入力した『細谷川』とともに湘東文庫の鈴木英夫氏に校閲を依頼した。年度内には校閲と注釈を終了するはこびとなっている。また、両資料については鈴木英夫氏による解説文がすでに寄せられている。 『鈴木利貞日記』については清書でないくずし字で書かれているために、日記の解読およびワープロ入力の作業の段取りが難航した。同じ時代の社会教育者である山本瀧之助の日記を編纂した多仁照廣氏の強力のもと、湘東文庫で作業の打ち合せを行った。結局、日記については当面鈴木英夫氏がいったん清書したものを当方でワープロ入力することとし、『社会的陶冶』『細谷川』の校閲が終了し次第この作業にかかることとした。 鈴木利貞と座間幼年会関係の資料については、『神奈川県教育』誌の中に鈴木利貞の連載記事の一部を発見し、現在その全文を入手すべく照会中である。座間幼年会と少年団日本連盟との関係については『少年団の歴史』(萌文社、1996)執筆編集の過程でほぼ明らかになった。座間幼年会はボ-イスカウト運動からは独立して生成した少年団であり、少年団日本連盟が設立される経過で一時スカウト運動に巻き込まれたものの、スカウトの基本である宣誓、制服、パトロール・システム等を採用しなかった。当時の農村部での少年団のひとつの典型であるが、座間幼年会のような形で長期に独自の活動を展開した少年団が他の地方にも存在したかどうかについては今後の研究課題である。
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