1997 Fiscal Year Annual Research Report
教育職員免許法の成立過程とその規定要因に関する研究
Project/Area Number |
07610259
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Research Institution | OKAYAMA University |
Principal Investigator |
北神 正行 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80195247)
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Keywords | 教育職員免許法 / 戦後教育改革 / 教職の専門性 / CIE / Teachers'College |
Research Abstract |
本研究は,1949(昭和24)年に制定された教育職員免許法の成立過程を,特に免許法の理念とされる教職の専門性確保という問題について,その内実を形成する具体的な教師養成教育の内容やその背後にある教職観,教育養成観等について,免許法ならびに教師養成教育の内容形成に関わった日米双方の関連資料の収集,分析という方法から取り組んでいる。本年度は,3年間のまとめということで研究成果報告書の執筆を行った。 報告書では,(1)免許法立案に着手する前段階の重要資料としての,東京第一師範学校による教員養成カリキュラム研究の分析,(2)文部省による師範学校でのカリキュラム研究を促した「学科課程案の研究について」とそれへの師範学校による回答文書の分析,(3)免許法立案過程の分析-文部省,教育刷新委員会,CIE,関係機関の関連分析,(4)免許法制定後の教育関係団体による新たなカリキュラム研究の分析,という4つの観点からまとめている。 研究の仮説的結論として、免許法の立案ならびに教員養成カリキュラムの形成という観点からみた戦後の教育養成制度改革はの実態は,文部省,師範学校(新制「教育学部」)、そしてCIEという関係の中で形成されていったと指摘した。そして,そこでの具体的なモデルは,アメリカのTeachers'Collegeのカリキュラムと資格制度ではなかったということを指摘している。今後の課題としては,特に,文部省とCIEの交渉過程の細部にわたる検討と,免許法の理念の検証を発足した新制「教育学部」でのカリキュラムの実際の分析などによって明らかにすることである。
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