1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610290
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chikushi Jogakuen University |
Principal Investigator |
木村 政伸 筑紫女学園大学, 文学部, 助教授 (70195379)
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Keywords | 私塾 / 唐津 / 社会史 |
Research Abstract |
7年度は、数回にわたって唐津南部の史料調査を行った。その結果、相知町の峯家文書、及び厳木町の秀島家文書など多くの吉武法命関連の塾の史料を収集することができた。 これらの史料の一部をもとに、吉武法命を中心とする唐津藩の私塾教育についての特徴を概略的にまとめた論文を学会誌に発表した。 また、収集した庄屋文書の中から塾の具体的な姿を浮き彫りにする日記を確認した。特に、峯家文書に含まれる日記が収集できたことは大きい。この峯家の庄屋日記には1年を通しての庄屋の職務、日常生活なども記録されており、庄屋階層にとっての塾経営の意味などがそこから考察することができる。これらの文章については、日記を中心に目下解読中であるが、これが完了すると従来にない私塾のいきいきした姿が浮かび上がってくると予想され、教育社会史研究の大きな可能性を秘めていると思われる。 他にも、唐津から水野家が転出した古河市の調査では、本研究の直接的資料にはめぐまれなかったが、補充資料として多くのものを発見できた。 寺小屋については、てがかりになる師匠塚が発見できずにおり手詰まり状態である。さらなる徹底した調査が必要である。 また、関連地域あるいは近世地方関係の刊行資料についても収集に努めており、相当量集めることができた。解読した教育史料の歴史的位置付けのためにも、刊行史料以外にも地方史料の発掘に心掛けたい。
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