1995 Fiscal Year Annual Research Report
ティーム・ティーチングによる学習障害児の指導・援助に関する実証的研究
Project/Area Number |
07610304
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
寺山 千代子 国立特殊教育総合研究所, 分室, 分室長 (90106154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森永 良子 白百合女子大学, 文化学科, 教授 (50255931)
篠田 晴男 国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 主任研究官 (90235549)
小山 創 国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 室長 (30124209)
渥美 義賢 国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 部長 (90143552)
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Keywords | ティーム・ティーチング / 学習障害児 / 指導 / 評価票 / 援助 |
Research Abstract |
本年度は、まず国内外の文献から学習障害児への教育指導法の実際として、ティーム・ティーチングの適用とその評価法について検討を試みた。特に国内の諸家の要望を聞くため(全国情緒障害教育研究会、日本自閉症協会ほか)、第33回特殊教育学会において自主シンポジウムを開き、親の会、管理職教員、現職教員が各々の立場から、異業種あるいは親の参加も視野に入れた開かれたティーム・アプローチへの発展が提起された。ティーム・ティーチングの評価に関する欧米の報告では、授業における教師の働きかけとそれに対する児童の反応をプロトコル分析的に検討する方法が多く、国内でも研究指定校など有利な条件が揃った学校では同様な検討がなされている現状が示唆された。評価における負担を減らし、現場で短時間に、より簡便に使用できる自己評価ないし他者による評価が望まれた。また平成7年度第1回国立特殊教育総合研究所成果報告会における発表において、児童生徒の立場から、教師の役割が不明確になると明確な依存対象が定まらず、安心感の充足が得られない可能性が指摘され、このような児童・生徒の視点からの評価をいかに盛り込むかが課題となった。第1段階としては、精神薄弱特殊学級等を対象に、試案として作成された評価票を用いた検討が行われ、つまずきを発見する視点が得られたといった回答が寄せられた。試案では、T.Tが有効に機能するためのキ-として、1)児童生徒に関する共通の理解、2)指導内容・方法に関する共通の理解、3)各教師に個性に関する相互理解、4)各教師の役割に関する共通の理解と柔軟な遂行の4つの点を考慮し、(1)学習内容・学習課題に関する評価項目、(2)教材・教具に関する評価項目、(3)教師の協力体制に関する評価項目を設けた。ついで第2版として、ワ-ディングのあいまいさの修正、項目の配列の変更、評価内容の明確化、評定法の修正(プロフィール化)を施したものを作成した。現在、異なる科目場面での評価、役割交換による評価、第三者による評価といった評価手続きの検討を加え、第2段階の検討を進めている。より、評価に普段からの人間関係が投影されるバイアスをなど評価者の心理的負担も少なくなるような方策も取り入れていく予定である。次年度は、特に学習に困難を有する児童、あるいは落ちつきがなく行動の統制が難しい児童など学習障害とその周辺領域に相当する児童を中心に、パソコンを用いた視聴覚教材の活用例なども含めて研究の総括を行い、手引き化を行う予定である。また、障害特性に関する教育診断・評定等も明らかにし報告書に盛り込むことを計画している。
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Research Products
(2 results)