1995 Fiscal Year Annual Research Report
米国中西部小都市における老後の扶養関係の変換とエスニシティ
Project/Area Number |
07610313
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐野 眞理子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80206002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 敏行 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (20196299)
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Keywords | アメリカ社会文化 / 歴史人類学 / 家族関係 / 老後の扶養 / 高齢化社会 / エスニシティ / 老年人類学 / ジェニダ- |
Research Abstract |
本研究は、米国中西部小都市とその近郊の農村部を取り上げ、ヨーロッパ系白人(アングロ・サクソン、ポーランド、スカンディナビア系)を対象とした調査で収集した民族誌的資料に、歴史的資料を加えて分析し、19世紀半ばから現在にいたる期間の老後の扶養関係の変化に見られる民族集団間の類似と相違を明らかにすることを目的としている。本年度は、 (A)ミクロレベル(研究代表者)では、(1)調査対象者が語った家族についてのインタビュー記録をもとに、家族史を再構成し、農地の継承者に加えて、農地継承者以外がどのように老親の扶養に関わったかについて分析した。(2)当該家族の農地・居住地の分布と変化に関する資料整理を行ってきた。(3)墓石名記録や当該地域の地方新聞に載っている死亡広告に見られる情報を活用した。(3)の資料は、(1)(2)の資料で欠如している情報を補うのみならず、遺族の移動についても貴重な情報が得られることが分かった。 マクロレベル(研究分担者)では、(1)研究対象地域の国勢調査の手書き原簿(1850年、1860年、1870年、1880年、1900年、1910年(1890年は消失して使用不可能)のデータベース化を完成した。(2)国勢調査のデータベースを使って、1850年、1860年、1870年における60歳以上の高齢者を含む世帯の家族構成、職業、並びに民族的特質のパターンを分析した。 現時点の分析段階では、農地の継承並びに老後の扶養関係を考察する際、各家族の構成員の中で当該地域に留まる者と、他の地方へ移住していく者のパターンを明らかにすることが重要な課題として浮かび上がってきた。また、移住に関しては、民族集団間で顕著な差異が見られる。今後、この点についても対応していく。
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Research Products
(2 results)