1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610318
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Research Institution | KEIWA COLLEGE |
Principal Investigator |
神田 より子 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (40247424)
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Keywords | 鳥海山 / 蕨岡 / 修験 / 宗教民俗学 / 祭り / 芸能 / 胎内修行 |
Research Abstract |
本研究は山形県遊佐町の鳥海山蕨岡地区に残る、鳥海山修験の宗教生活、宗教活動とその組織の実態、位階を受けるための儀礼のプロセス、本山醍醐三宝院との関係、地域の人々の記憶に残る伝承などを探り、地域の文化の拠点であった蕨岡修験に光を当て、地域社会の中での位置付けと、周辺地域に及ぼした文化的影響力の解明を目的として行ってきた。そのために蕨岡三十三坊と呼ばれていた旧修験の家々、鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮、そして真言宗龍頭寺の文書資料を調査収集、現在も伝わる大御幣祭り、御種蒔神事などの年中行事の調査を行った。 本年度は当該研究の最終年度に当り、その研究成果報告書作成にむけて研究と作業を行い、蕨岡修験について、1鳥海山蕨岡修験の本末関係、2一山組織、3修行と位階、4霞と牛王宝印、5坊宿と門前、6神仏分離令、という分類を立てて考察とした。また近世期の蕨岡修験及び鳥海山周辺の修験者の動向を極めて詳細に記述した『大社実録』の全文翻刻も完了した。そして三年間かけて収集した鳥海山蕨岡地区に残る修験文書の目録も作成し終えることができた。 なお本研究が進む中で、地域の人々の関心が高まり、地元でもこの機会に成果が見たいという声が高まった。そこで平成9年度は鳥海山大物忌神社の山頂本社殿の20年ごとの遷座祭(建て替え)に当り、記念事業として地元の人々を対象とした鳥海山に関する本の刊行が決まった。そこで本研究の研究代表者である神田より子が監修と執筆を行い、本研究の研究協力者、さらに地元の研究者の協力を得て『鳥海山-自然・歴史・分化-』を発行することができた。これにより本研究の成果の一部を地元へも還元することができたと考える。
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Research Products
(1 results)