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1995 Fiscal Year Annual Research Report

受領制度を通じてみた平安時代国家財政史の研究

Research Project

Project/Area Number 07610335
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

寺内 浩  愛媛大学, 法文学部, 助教授 (40202189)

Keywords受領 / 受領功過定 / 受領考課制度
Research Abstract

平安時代の受領考課制度については、これまでに一〇世紀後半までの成立・展開過程について検討を行ったことがあるが、本年度はそれを踏まえて摂関期の受領功過定及び受領考課制度について考察を加え、以下のような検討結果を得た。
1、摂関期の受領功過定については、かつては形式的で意味のないものと考えられていたが、近年ではそれが受領統制に果たした役割を積極的に評価しようという意見が有力となっている。しかし、当時の国家財政のあり方を調べてみると、調庸以下の従来の財政収人が国家財政の中で占める比重は小さくなっており、また公文勘済の受領が急増するなど、実際には摂関期になると受領功過定が果たす役割は小さくなっている。これに対し、受領の考課で次第に重要度を増すのが召物・国宛や成功である。
2、摂関期になると天皇・摂関家の関係者が次々に大国の受領に任じられ、近江・播磨・伊予などでは彼らがほぼ独占的に受領の地位を占めるようになる。しかし、これは彼らが任国で優秀な成績をおさめたからではなく、権力者の恣意的な受領人事によるものであった。受領考課制度は任中の成績を総合的に判定し、その結果に従って受領を叙位・任官するものであり、そこに権力者の意向が反映されることは本来あってはならないことであった。しかし、摂関期になると権力者の関係者が優先的に大国の受領に任じられるなど、受領考課制度は恣意的に運用されるようになり、次第に解体・形骸化していくのである。

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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