1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Suzugamine Women's College |
Principal Investigator |
児玉 正昭 鈴峯女子短期大学, 教養科, 教授 (40186705)
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Keywords | 移民県 / 満州農業移民 / 福岡県移民 / アメリカ1924年移民法 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は、二つに分けられる。 一つは、前年度に引き続き、東京都・福岡県・熊本県を中心に資料調査を実施して、明治・大正期の移民資料を収集したことである。東京都の外交史料館では、主に、大正期の移民資料を中心に閲覧し収集を行った。福岡県立図書館では、アメリカ1924年移民法の成立が県内に及ぼした影響を補充調査するため、県内発行の『福岡日日新聞』を閲覧して関係資料を収集した。熊本県立図書館では、地元発行の新聞を中心に、明治十年代後半の松方デフレ期の県内の社会経済状況を調査して、ハワイ官約移民送出の背景となる資料を収集した。 二つは、収集資料を整理分析し、研究論文を作成するとともに、日本移民学会で研究報告を行ったことである。移民研究会編『戦争と日本人移民』(1997年1月、東洋書林刊)に収録されている拙稿「第二次世界大戦末期の満州農業移民」は、移民県広島での満州農業移民を素材としたものである。満州農業移民については、西日本の移民県からの送出を研究した論文が少なく時期的にも大戦末期を取り扱ったものが少ないだけに、研究史の空白をうめる目的で発表した。 1997年12月、東京家政大学で開催された日本移民学会で「アメリカ1924年移民法の成立に対する国内の動向-移民県福岡を中心に-」という研究発表をした。この研究発表は、前年度末に完成した論文「アメリカ1924年移民法の成立に対する移民県の動向-福岡県を中心に-」を資料的に補充して発表したものである。なお同論文は1997年4月に発刊される三輪公忠編『日米危機の起源と排日移民法』に収録されている。
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