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1995 Fiscal Year Annual Research Report

ヴィクトリア時代の慈善事業における女性の役割

Research Project

Project/Area Number 07610390
Research InstitutionKyoto Prefectural University

Principal Investigator

河村 貞枝  京都府立大学, 文学部, 教授 (70111911)

Keywordsフィランスロピー / ヴィクトリア時代 / 女性史 / 博愛主義 / 慈善
Research Abstract

本研究の目的は、イギリスのヴィクトリア期の急速な工業化と都市化の進展の中で引き起こされた社会的・道徳的諸問題にさまざまな形でアプローチした、チャリティないしはフィランスロピーの運動に対する女性の関わり方を明らかにすることであった。フィランスロピーの多様なコ-ズが、ヴィクトリア時代人のお金、組織能力、エネルギーを惹きつけたが、とりわけこの時期、慈善活動は中流階級の生活様式の際立った特徴、すなわちステイタス・シンポルとなった。そしてなかんづく女性たちがフィランスロピーにおいてますます重要な役割をもつようになった。すでに先行研究の存在するCOSなどのいくつかの全国的慈善事業団体はよく知られているが、その活動の多くが現実にはローカルな教区で行われたことはあまり注目されてこなかった。活動の現実のプラニングは理事会を構成する男性によってなされたが、日々の運営(実践)はしばしば女性の手に委ねられていたのである。本研究では、多様な慈善活動の中でももっぱら中流階級の女性に担われた、地域の貧民に対する訪問活動(district visiting)に焦点をあてた。慈善活動に関わった中流階級女性には、概して夫の庇護の下に家庭を守ることに専念していた保守的タイプと、男性への依存を良しとせず、男女同権を主張したラディカルなフェミニスト・タイプと、さらにその二極の中間に位置する、女性の権利を求めるまでには至らないが、世間に認められる範囲内での社会参加を希望したタイプがあった。当該時期の慈善事業で重要な役割を果たしたのは、この中間のタイプの女性たちであった。そしてその活動で知識と経験を獲得した女性は、19世紀末には学務委員や救貧委員に選出されたり、ソーシアル・ワークを専門職化していった。1893年には実にイングランドで50万人の女性がフィランスロピーで活動し、2万人の女性が有給の慈善活動家として自活していたことが判明した。

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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