1997 Fiscal Year Annual Research Report
後期旧石器時代後半のセトルメントパターンと遺跡構造に関する比較文化的研究
Project/Area Number |
07610400
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿子島 香 東北大学, 文学部, 助教授 (10142902)
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Keywords | 後期旧石器 / 石器の使用痕 / 遺跡構造 |
Research Abstract |
本研究では、個別の遺跡における詳細な遺跡構造の分析と、広域的な遺跡分布の状況を総合的に捉えて、後期旧石器文化の一端を解明する努力を続けている。宮城県南部の蔵王山東麓・南麓において、さらに旧石器遺跡分布の踏査と火山灰層の堆積状況調査を行なったが、既知遺跡の内容確認にとどまっている。同地域の縄文早期の遭跡分布状況との相違が明確になった。遺跡構造の分析の面では、当研究室が発掘し、正式報告書へ向けて資料分析をすすめている、新潟県荒屋遺跡の石器使用痕分析に補助金の一部を使用した。彫刻刀スポールのマイクロウェアについて知見が得られている。東北大学考古学研究室が組織的に進めてきた旧石器研究の一環である。本研究の目標である、中緯度地域における後期旧石器時代の文化的適応様式の比較研究は、東北地方(広域的視点から関東地方の資料調査を含む)、北米大平原地域のパレオインディアン文化、南西フランスのマドレーヌ文化の3地域を対象として、継続的に進めてきた。本年は最終年度であるが、研究期間中に直接海外で発掘調査に参画する機会は無かったので、この面の追究は研究代表者がこれまでに収集を重ねてきたデータと、新たな文献資料での検討を主に行なってきたが(発表論文参照)、比較文化的分析は本研究終了後も継続していく予定である。研究期間中に、上記3地域に加えて、朝鮮半島およびシベリアとの研究交流の機会があり、資料研究をすすめた。
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Research Products
(1 results)