1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡本 東三 千葉大学, 文学部, 教授 (00000498)
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Keywords | 舟葬墓 / 舟棺 / 銅製鈴 / 木製盾 / 古墳時代 / 縄文時代 / 海食洞穴 / 漁撈活動 |
Research Abstract |
科学研究費で継続している大寺山洞穴遺跡の第5次調査を9月に実施した。本年度は、遺跡の重要性に鑑み、また遺跡の保存等の問題もあり、千葉県教育委員会文化課及び館山市の援助・協力のもとに、発掘調査を進めることができた。 第1洞については、舟葬墓の広がりを調べるために、洞奥部に発掘区を設定した。調査の結果、船棺の一部とその副葬品を検出し、新たに東国では極めてめずらしい銅製の鈴3例、木製の漆塗りの盾を発見した。洞穴全体の埋葬施設があることがほぼ確定した。 第3洞は主に縄文時代の生活跡を発掘した。多量の灰層に覆われていたために獣骨・漁骨・貝類などの自然遺物や埋葬された縄文人骨の遺存度がよく、縄文時代の漁撈活動を解明する上での貴重な資料を得た。また、縄文人の形質に関する新たなデータも提供できた。考古学的には縄文時代中期から後期にかけての土器編年を解決するための層位的な資料を得た。 なお、木材鑑定や鈴の分析については、東北大学理学部・国立歴史民俗博物館の協力を得ることができた。 発掘調査後、遺物の整理・図面整理・写真整理等を行い、鋭意、調査報告書の準備に取りかかっている。 また、これと並行して安房や三浦半島の海食洞穴の資料集成作業を進めた。
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Research Products
(1 results)