1995 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代政治史の考古学的研究-国際的契機に着目して-
Project/Area Number |
07610402
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福永 伸哉 大阪大学, 文学部, 助教授 (50189958)
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Keywords | 古墳時代 / 前方後方墳 / 前方後円墳 / 三角縁神獣鏡 / 銅鏃 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の研究の第一年目であった。したがって、活動の主要部分は研究計画遂行のための基礎資料の調査と収集に当てられた。具体的には、前期古墳に副葬された重要な威信財のうち、三角縁神獣鏡、銅鏃のデータベース作成にあたった。とくに三角縁神獣鏡については、備品として設置したビデオカメラを有効に活用して、通常の写真資料などでは知ることのできない3次元の情報を収集、記録することができた。銅鏃については今年度は全国の出土資料集成を作成した。これらの情報はパソコンを利用したデータベースにまとめつつある。当初の計画では、既設の設備を利用する予定であったが、画像、図像取り込みの高速化のために処理能力の高いパソコンが必要になったことに加え、年度後半にかけてのパソコン低価格化が急速に進んだことで、予算内で新規の設備を備えることが可能になった。このほかに、古墳の踏査や発掘現場の実地調査も行っている。 こうした基礎資料の収集を行ういっぽうで、資料そのものの分析にも着手している。今年度は、三角縁神獣鏡、銅鏃の編年研究を押し進め、とくに三角縁神獣鏡については舶載5期、製5期の型式編年と製作年代の仮説を提示した。そして、この成果に基づいて古墳時代前期の畿内地方と東海地方の政治的関係について考察し、12月に学会発表を行った。 本年度は資料調査と収集が主要な活動であったが、その過程を通じて研究課題に関するいくつかの新しい着想を得ており、次年度以降の本格的な資料検討、分析、考察に十分反映させて行きたい。
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