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1995 Fiscal Year Annual Research Report

旧石器時代における物流のセンターとネットワークに関する研究

Research Project

Project/Area Number 07610407
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

安蒜 政雄  明治大学, 文学部, 教授 (00183153)

Keywords旧石器時代の物流 / 旧石器時代の移動生活 / 黒耀石原産地遺跡
Research Abstract

旧石器時代人は、狩猟・採集の適地を求めて、居住地を頻繁に移し変える、移動の生活を送っていた。その居住地である遺跡のどこにも、石器やその原料の搬出・搬入と石器作りの痕跡がとどめられている。
狩猟・採集に適地があるように、原料にも石器石材原産地がある。とすると、移動の生活は、狩猟・採集の適地と石器石材原産地を結ぶ範囲内で繰り返えされていたとみてよい。いいかえれば、移動する個々のヒトに石器や原料が携行されるというかたちのモノの動きがあったと予想される。
しかし、旧石器時代の全期間にわたって、果して、ヒトとモノの動きが一体化していたのかどうか。すでに、個々のヒトの動きをこえてモノが動く、組織的な物流網が存在していたのではないか。
そうした課題のもと、日本有数の黒耀石原産地帯である中部高地と黒耀石が産出しない南関東平野部について、双方の諸遺跡の黒耀石の搬出・搬入形態を分析した。
その結果、中部高地には、原料搬出型遺跡と石器搬出型遺跡の二者のあることが判明した。一方、南関東平野部には、それと対応する原料搬入型遺跡と石器搬入型遺跡の二者がある。しかも、原料搬出型遺跡と原料搬入型遺跡は上部旧石器時代前半期の、また石器搬出型遺跡と石器搬入型遺跡はその後半期の、それぞれ特徴的な性格であることもはっきりしてきた。
すなわち、黒耀石製の搬出・搬入品は、時代をくだり、原料から石器つまり製品へと、明らかに転換したのである。と同時に、個々のヒトの動きをこえてモノが動きはじめる、物流のセンターとネットワークが成立していたものと考えられるのである。
それを実証するため、新らしい視点と方法による、より詳細な資料の分析と研究をすすめたい。

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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