1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwaki Junior College |
Principal Investigator |
山崎 京美 いわき短期大学, 幼児教育科, 助教授 (60221652)
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Keywords | データベース / 縄文時代 / 動物遺存体 / 骨学的研究 / サケ科 |
Research Abstract |
本研究は、考古学において動物遺存体の研究をする際に必要となる基礎的資料(遺跡出土の動物遺存体情報および骨格図)を作成・収集し、データベース化することによって、本邦の狩猟採集段階の動物相の集成、また古環境復元の指標を用意することを目的としている。研究方法は、昨年度からの継続として1)縄文時代遺跡出土の動物遺存体関係文献から、原則として同定結果の報告されたものを対象とし必要情報を抽出する、2)画像データベースのデータとなる骨格図を作図する。その際に使用する標本は専門の研究者によって種の同定が行われた個体を扱う、の2点とする。 本年度の研究成果は、1)の動物遺存体データベースでは、関西以西から沖縄地方までの発掘調査報告等を収集し、これまでに入手できた約110点の文献からデータ(種リスト、属性、文献)を抽出し、入力または入力しつつある。収集したデータからは、各都道府県の調査精度や遺存体研究者の所在有無によって、調査体制から分析内容に差のあること、全国的に同定の精度を向上させるには早急に動物遺存体の研究方法を提示する必要があることが再認識された。2)の画像データベースでは本年度はサケ科を取り上げ、魚類学研究者の協力を得て、イトウ、アラスカオショロコマ、サクラマス、カラフトマス、シロザケの5種を収集し、骨格標本の作製を行った。しかし、それぞれの個体変異と近縁種間の変異の検討、および作図については来年度の課題として残された。また、昨年度の継続作業として、現生日本犬の体部骨格の計測、画像データベースソフトへの骨格図の入力(軟骨魚類)を行った。次年度は動物遺存体データベースの不足分を補う作業と、軟骨魚類、サケ科、イヌの近縁種・属間の比較を経た上で画像データベースのための基礎資料の蓄積をする予定である。
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