1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610423
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐竹 秀雄 武庫川女子大学, 言語文化研究所, 教授 (90099911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 亨 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (90172650)
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Keywords | 女らしさ / SD法 / ファッション用語 / イメージ |
Research Abstract |
1 平成7年度は、二つの観点からの調査・研究を行い、次のような見通しを得た。 (1)小説、雑誌記事などにみる「女らしさ」の調査 小説では、「女らしさ」という語がほとんど使われていないのに対して、雑誌では、ファッションに関する用語として頻繁に使われていることがわかった。そして、それがどのような語と共起して使われるかについて整理すると、「上品、繊細」の概念を表す語と、「魅惑的、可愛さ」を示す語と強く結びついていた。 (2)イメージ分析のためのアンケート調査 学生に対して、SD法を利用したアンケート調査を実施した。その結果、女子大生たちが「女らしさ」に対して、「上品、繊細、柔らかい、細かい、丸い」というイメージに強い反応を示した。また、「弱い、保守、従属」といったイメージをもつ者は少なかった。全体として、女らしさに対してプラスイメージをもち、女らしさを目指し、あこがれている傾向が見られた。 2 上記の二つの調査の関連性(まとめ) ファッション雑誌の調査と、イメージ調査とを比較してみると、女らしさを「上品、繊細」なものとしてとらえている共通の傾向がうかがえる。つまり、ファッション雑誌ですばらしいものとして提示される「上品、繊細」な女らしさを、学生たちが素直に受け入れている現状が推察できる。そこには、性差別につながる、生き方としての女らしさの意識やイメージは存在していない。
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