1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花登 正宏 東北大学, 文学部, 教授 (60107175)
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Keywords | 注音 / 漢字 / 反切 / 韻書 |
Research Abstract |
昨年度において、宋代以来の等韻図の序跋に見られる反切に関わる記述、明清以来刊行された地方韻書の反切自体及び反切に関わる記載、さらには唐宋以来の随筆筆記中の反切に関わる記載を蒐集・整理し、それら資料を読解する作業を行った。本年度は、資料の蒐集をさらに進め、その読解を行うとともに、一部資料についてはその分析・解明の作業に入った。明清の地方韻書に見られる反切による音の取り出し方は必ずしも一様ではないが、果してそれらに継承関係が存在するのかどうか、また、漢字とその発音を受容した我が国にも反切による音の取り出しに関わる資料が存在するが、その具体形様相についても検討しつつあるところである。 今後の研究の展開について述べると、反切からの音の取り出しは、口唱によるものと、等韻学的知識を応用するものとに大別でき、さらにその各々に小差が存在するようである。その間に継承関係を認めることが出来るかどうかは今後の課題となる。声調言語でない我が国において受容された反切が、果たしてどのような展開を見せたのか、これも興味深い課題である。
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