1995 Fiscal Year Annual Research Report
談話の照応表現に関する総合的研究-機能文法,情報構造,及び関連性理論からのアプローチ
Project/Area Number |
07610462
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00136623)
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Keywords | Relevance Theory / discourse anaphora / bridging reference / principle of relevance / processing effort / contextual implication / assumption / logical form |
Research Abstract |
本研究では、機能文法、情報構造理論、及び、関連性理論の観点から、談話における照応表現の機能的・語用論的特性を明らかにしながら、談話照応の原理を解明するする事、および談話における照応表現のデータベース作成をその目的として掲げた。平成7年度は、談話照応と関連性理論の研究を重点的に進め、同時にデータベースの設計とデータの収集を行った(継続)。具体的な研究実績は次の通りである。 1.談話照応、特に談話における代名詞の解釈に関して、これまで提唱されてきた談話トピックに基づく議論の不備を指摘し、照応表現の機能と処理労力の関係、談話照応の解釈メカニズムと関連性理論との関わりを考察し、代案として関連性理論の枠組みに依り「談話照応に関する関連性条件(Relevance Condition on Discourse Anaphora)」を提案し、その成果を“Anaphora and Relevance Theory,"English Usage and Style vol 12(1995)として発表した。 2.談話照応の一種である「橋渡し指示」の解釈に関して、これまで提唱されてきた談話トピックに基づく議論の不備を指摘し、定名詞句表現の談話における意味的・語用論的機能を関連性理論の枠組みを用いて新たに位置づけ、「橋渡し推論方式(Bridging Inference Procedures)」、および「橋渡し指示に関する関連性条件(Relevance Condition on Bridging Reference)」を提案し、その成果を「関連性理論の視点」上越教育大学研究紀要第15巻2号(1996a)、および“Bridging Refernce: A Relevance-Theoretic Approach,"English Usage and Style vol 13(1996b)として発表した。 3.談話における照応表現データベース作成については、パーソナルコンピュータ、イメージスキャナ、データベースソフト、および光学式読み取りソフト(OCR)を用いて、主に英文雑誌、英字新聞から該当するデータを収集し、蓄積中である。
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Research Products
(2 results)