1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610469
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
稲田 勝彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 純子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30253024)
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Keywords | アメリカ文学 / 思春期文学 / 児童文学 / ジェンダー |
Research Abstract |
稲田は、1950年代以降のアメリカの社会的・文化的変化を扱った図書、たとえば『1960年代のアメリカ』などや、男性学に関する図書、たとえば『「男という病」の癒し方』などを収集し、アメリカの思春期の男女がどのような社会的・文化的変化の中にあったかを把握することにつとめた。ついで、J. D. SalingerのThe Catcher in the Rye (1951)とSylvia PlathのThe Bell Jar (1963)を思春期文学として取り上げ、両主人公の少年・少女が、心理、性、環境、社会化等に関して、どのような類似点や相違点を示しているかを考察し、現在、その結果を論文として執筆中である。吉田は、インターネットを通じて、文部省学術情報センターのデータ・ベースに頻繁に入り、国内外の研究機関での資料収集につとめた。また、緊急に必要な資料や図書の収集や、アメリカ文化センターのCD-ROM利用による資料収集については、旅費を使って各研究機関に出張した。七年度には、専門誌や学内の紀要にそれぞれ論文を発表したが、八年度から九年度にかけては、学内の紀要論文が発表されたほかに、『英語青年』(研究社)、国際ジャーナルのBookbird (IBBY)及びChildren's Literature (Yale UP)にそれぞれ論文の掲載が決まっている。また、上記の論文発表のほか、六月にアメリカのOmahaで開催されるChildren's Literature Conferenceでの研究発表と、八月にイギリスのYorkで開催されるInternational Research Society of Children's Literatureでの研究発表が予定されている。七年度の課題であった思春期の若者像の人種的差異と同性愛者をふくむSexualityの問題は、今後も研究課題として継続して研究を続ける予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yoshida Junko: ""The Quest for Masculinity in The Chocolate War : Changing Masculinity in the 1970s"" Children's Literature (Yale UP). 28. (1998)
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[Publications] Yoshida Junko: "Mother/Daughter Stories in Japan : A Comparison with the Western Counterpart" Bookbird (The International Board on Books for Young People). 35、2. (1997)
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[Publications] 吉田純子: "「アメリカ思春期小説におけるジェンダーの見直し--Ursula Le Guinを中心に」" 英語青年(研究社). 143、1. 32-34 (1997)
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[Publications] 吉田純子: "「野性と文明のインターフェース--Evaに描かれた少女の身体」" 人間文化研究(広島大学総合科学部). 5. 99-121 (1996)
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[Publications] 吉田純子: "「老人と子どもが『森』で出会うとき」" 日本児童文学(文渓堂). 498. 40-44 (1996)
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[Publications] 吉田純子: "「思春期小説The Man Without a Faceにおける『男らしさ』の研究」" 欧米文化研究(広島大学大学院社会科学研究科). 2. 1-17 (1995)
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[Publications] 吉田純子: "「思春期小説にみられる『男らしさ』と権力」" 人間文化研究(広島大学総合科学部). 4. 21-47 (1995)
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[Publications] 吉田純子: "『たのしく読める英米幻想小説』" ミネルヴァ書房, 313 (1997)