1995 Fiscal Year Annual Research Report
現代英米文学と比較文学:異文化コンピュータ支援教育ソフトの開発・研究
Project/Area Number |
07610473
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
成田 興史 名古屋市立大学, 教養部, 教授 (00080284)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 義章 名古屋市立大学, 教養部, 助教授 (70157444)
常盤井 礼十 名古屋市立大学, 教養部, 教授 (60080272)
|
Keywords | 英米文学 / 比較文学 / 異文化研究 / 文化認知論 / コンピュータ支援学習 / CAL / CAI / 日本文学 |
Research Abstract |
名古屋市立大学教養部では、1988年度文部省情報処理教育補助金を受けて、すでに「PCマスター」「CAL教育用ソフト 英語Ver.1.0」を開発・実用化している。これを、(1)英米における文学・比較文学の研究・教育、(3)コンピュータ支援学習教育・文化認知論、(4)文学評伝の新動向を把握する方向性において発展させてきた。 その結果、(1)英米における英文学および比較文学研究分野では、近年とみに異文化論的な拡がりを背景にした論考が大きな注目を浴びていること、(2)日本から発信するアカデミックな比較文学研究の試みとして、T.S.エリオットの第一次試料に遡った異文化論的研究の推進だけでなく、世界性豊かな作家作品研究として、英米ではグラハム・グリーン、日本文学からは、例えば遠藤周作の比較文化的研究が重要性を増すこと、(3)文化認知論としては、マクル-ハン(Marshall McLuhan)、オング(Walter J.Ong)の提唱するメディア文化論、ひいてはコンピュータ認知論から注目を浴びているヴァーチャル・リアリティーという概念と伝統的文学規範との関わりが注目されることが明らかになった。 結論的な方向性としては、(1)メディア文化・文明認知論にもとづいて新しい文学・比較文化論の地平を切り開くこと、(2)日本という文化的な風土環境を踏まえた、確固とした文化認知論的文学論の確立が迫られていること、(3)以上のような要請に相応しいソフトウェアの開発(基本的にはQUICK BASIC言語にもとづく名市大CAL英語ソフトを継承的に発展させると同時に、マッキントッシュHyper Cardのマルチメディア化を図りつつ、T.S.エリオットならびに遠藤周作関係の比較文化教材を内容とする)‥といった課題との取り組みが切に要請されている。
|
-
[Publications] 成田興史: "情報文化時代と大学レベルの英語CALソフト開発" 平成7年度、第46回東海地区大学一般教育研究会報告書. 25-26 (1995)
-
[Publications] Tatsushi Narita Yutaka Yamamoto: "Education of English as a Second Language and the Development of Software" 名古屋市立大学教養部紀要『人文社会研究』. 40(3月発行予定). (1996)
-
[Publications] 升本匡彦、佐々木英昭、成田興史ほか: "『異文化への視線』(成田分担執筆の章「若き日の詩人:T.S.エリオットとセントルイス万博」)" 名古屋大学出版会(3月発行予定), (1996)