1995 Fiscal Year Annual Research Report
Piers Plowman A, B, C, Zテキストにおける頭韻構造の装飾性
Project/Area Number |
07610478
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
松下 知紀 専修大学, 文学部, 教授 (50115424)
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Keywords | Piers Plowman / 頭韻構造 / 装飾性 |
Research Abstract |
中英語期において「頭韻詩復興」の名のもとに多くの詩が書かれたが、頭韻構造が古英詩の伝統を引き継ぐものとしてThe Parlement of the Thre Ages, Wynner and Wastoure, the ABC of Aristotleなどがある。その一方で、伝統に違反する作品としてAlexander A and B, william of Palerne, Piers Plowmanなどの存在が知られている。 本研究は14世紀にWilliam Langlandによって書かれたThe Vision of Piers Plowman : The B-Textを中心に音韻構造がどのように変化しているかを調査した。 1.古英詩と同様にaa. Axの音韻を中心に構成されているが、aaa. Axやaax. Axなどの拡大長行の使用が頻繁に行われるようになった。 2.古英詩の音韻語の品詞が名詞・形容詞・動詞などの内容語であったが、PPLになるとhe, meなどの代名詞やwith, forなどの前置詞といった機能語も音韻に加わる。 3.古英語期限の強頭韻語はcarpe(=speak), gome(=man)などを除くとPPLでは減少している。 4.古フランス語が頭韻に参加する例は古英詩ではまれであったが、PPLではcounselle, court, frereなどの宗教用語を中心に使用されている。 5.Oakden(1968 : 179)の中英語の「頭韻が一層装飾的になり、構造的ではなくなった」という指摘がPPLに当てはまることを確認した。
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