1996 Fiscal Year Annual Research Report
英語冠詞との結合関係からみた英語前置詞の意味構造体系の研究
Project/Area Number |
07610486
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
織田 稔 関西大学, 文学部, 教授 (30030274)
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Keywords | 英語前置詞の意味構造 / 「場」の次元系列的認識 / 名詞の冠詞形態 / THROUGH / BY / WITH |
Research Abstract |
本研究の目的は、英語の主要前置詞の意味機能を、単に「場」の次元系列的認識によってだけでなく,これらの前置詞が伴う名詞の冠詞形態によって分析し理解しようとするものであり,本年度は、THROUGH/BY/WITH及びAT/ON/INの二つのグループを中心に用例文データの収集に努めた。 これと同時に,年度前半においては,前年度の研究に引きつづき,従来の前置詞理解のもつ矛盾,弱点を明らかにし、その問題点を三つにしぼり,「英語前置詞の意味構造-いくつかの問題点-」と題して関西大学『文学論集』に発表,特にR.A.Close(1981),Quirk et al.(1985),Leech and Svartvk(1944)等の次元系列的解釈,及びSchieginger,Cognitive Space and Linguistic Case(1995)にみられる英語母語話者の言語直感にもとづく演繹的アプローチには限界のあることを指摘した。たま年度後半においては,THROUGHを中心に収集データの考察と整理をおこない,英語前置詞に研究第2報としての公刊準備にあたった。この研究は平成9年度関西大学『文学論集』に発表の予定である。 なお,本研究と直接には関連しないが,その成果を生かしつつ,「基礎からの英語理解」と題して『現代英語教育』誌上において連載,英語言語の文法的基礎を日本語と比較対象しながら解説論述した。同誌には,また,「ことばの学習と日本語比較」と題する一文をも寄稿している。 平成9年度以降については,先に述べたように,まずTHROUGHを中心とするTHROUGH/BY/WITHの比較研究をまとめ,続いて,本研究の主目的たるAT/ON/INの考察に進み,遅くとも平成11年度には英語前置詞の意味形態論的研究の集大成をみたいと願っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 織田稔: "基礎からの英語理解(1)〜(9)" 現代英語教育(研究社出版). 第32巻第1〜9号. 2- (1995)
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[Publications] 織田稔: "基礎からの英語理解(10)〜(12)" 現代英語教育(研究社出版). 第32巻第10〜12号. 2- (1996)
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[Publications] 織田稔: "英語前置詞の意味構造-いくつかの問題点-" 関西大学文学論集. 第46巻第2号. 39-57 (1996)
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[Publications] 織田稔: "ことばの学習と日英語比較" 現代英語教育(研究社出版). 第33巻第7号. 6-8 (1996)