中世末期-近代初期イギリス刑事法制における立法と司法の関連

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07620009
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Komazawa University
• Principal Investigator: 北野 かほる 駒澤大学, 法学部, 助教授 (90153105)
• Keywords: 騒擾 / 異端 / ロラ-ド / 王座裁判所 / 教会

Research Abstract

前年度に引き続き、15世紀初期の刑事立法である(1)騒擾法及び(2)異端法に関する分析をすすめ、その成果を研究会において発表した。
(1) 騒擾法:1414年法制定直後のヘンリ5世治世第2年トリニティ開廷期の王座裁判所刑事訴訟記録(KB27/613)所収の騒擾犯裁判記録の解読と分析。特に騒擾・暴行・反逆等を含む一連のスタフォドシャの記録(KB27/613/Rmm4,10,11,15,16,17,23,24,33)の分析とこれに関連する議会記録集・封緘勅許状録集・開封勅許状録集の記事の集積・照合による事件の背景と法適用の関連の分析。先に分析した同開廷期シュロプシャの事件記録との比較。
(発表:1996年8月29日「国王裁判所はなぜリチフィールドに行ったか--14142年イ-スター・トリニティ開廷期王座裁判所・スタフォードシャの場合--」・西洋中世史研究会・熊本大学)
(2) 異端法:イングランド教会会議記録(Concilia Magnae Britanniae et Hiberniae)による14・15世紀異端法成立過程における教会情勢の分析。第1異端法(1382)、第2異端法(1401)、第3異端法(1414)それぞれに関わる教会の主導性の考察。先に分析した政府の態度との照合・比較。
(発表:1996年4月27日「中世イギリス異端規制法の成立と背後事情」・比較法史学会東京部会・中央大学記念会館;1997年2月8日「中世イギリス異端規制法の成立と展開」・ヨーロッパ中世史-王権・教会・貴族制-研究会・青山学院大学)