1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620016
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石渡 利康 日本大学, 国際関係学部, 教授 (90130426)
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Keywords | 北欧協力 / バルト協力 / 地域統合 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究は、現在、加速的に進行段階にあるバルト海沿岸諸国、すなわち北欧諸国、エストニア、ラトヴィア、リトワニア、ポーランド、ドイツ北部地域、ロシアの欧州部およびロシアの飛び地であるカリ-ニングラードの間での国際協力の強化・促進に基づく地域統合の実体と動向を研究の対象とするものである。研究は、具体的には、第一に、バルト海沿岸地域の歴史的特性、第二に、地域に内在する社会的基盤、第三に、地域統合の内的・外的促進要因、第四に、統合促進の機構とアクター、第五に、統合の諸相に焦点を当ててこれを行うこととした。 研究の成果は、次の通りである。第一のバルト海沿岸地域のもつ歴史的特性に関しては、バルト海が一種の閉鎖的な地理的特質をもつことによって環バルト文化圏が形成されたことと、かつてのハンザ同盟による通商を基礎とした経済圏の確立という過去の歴史的事実とが明確化された。第二の点に関しては、第二次大戦後の社会主義化を経験したのにもかかわらず西欧民主主義の基本理念の再生可能性が強く認められることが判明した。第三の点に関しては、内的促進要因としての自由経済発展、民主主義への希求と外的要因としての北方地域主義と欧州統合との関係が現在検討中の課題である。第四の点に関しては、研究がほぼ完了している。第五の点に関しては、現時点では、特に教育関係の協力について研究が進行中である。 さらに最新資料を利用して行われる今後の研究を総合した本研究の成果は、『北欧・バルト地域統合の研究』として著書の形でこれを結実する。
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[Publications] 石渡利康: "EU加盟と北欧協力" 国際関係研究. 15巻3号. (1995)
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[Publications] 石渡利康: "バルト地域統合の新状況" 国際関係研究. 16巻2号. 179-186 (1995)
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[Publications] Toshiyasu ishiwatari: "A New Concept of Security and Role of the Altruistic Regional cooperation for the Nordic Countries" Olof Palme lnternationella Centrum. 1-10 (1996)