1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620018
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
中原 精一 朝日大学, 法学部, 教授 (30070618)
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Keywords | 憲法草案 / 南アフリカ / 制憲議会 / 暫定憲法 / アパルトヘイト / 白人政権 / ANC / 人種協調 |
Research Abstract |
本年度の研究は、1994年に行われた総選挙後、成立した制憲議会を中心とした、憲法草案づくりの経過について考承した。その中で1995年11月に中間報告的に議会が発表した、憲法草案について、1994年の暫定憲法と比較しながら、その分析を行った。 憲法草案は14章182カ条で構成されており、まだ随所にoptionがあり、流動的な条項も多い。しかし暫定憲法から継承されている部分も多く、大筋では新憲法の骨組みがきまった草案ということができる。制憲議会の総選挙でANCが単独で憲法制定のできる議席数に達していなかったので、1983年の白人政権下の憲法の影響をうけた暫定憲法を大巾に修正する草案づくりが難しいということであろう。 このように大きな変革はないが、考えてみると、そのことが南アフリカの今後の人種協調社会を建設していくには、ある程度貢献することになるのではないかとも考えられる。それでも、現実の南アの社会は、アフリカ人失業率がきわめて高かく、折角変楊した総選挙のときのアフリカ人の新時代への期待が、失望に変わることになると、新憲法の制定にも大きな障害となりかねないのである。本年度はこのような南アの政治・社会の動向をみながら、草案の分析を行ってきた。
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