1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620032
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 淳二朗 九州大学, 法学部, 教授 (60079001)
|
Keywords | 株式 / 株主 / 資本多数決制度 / 株式本質論 / 監査役 / 会社支配 / 会社機関 / 会社法理論 |
Research Abstract |
1平成7年度で、資本多数決制度を株式会社法の基本概念とすることによって新たな会社法理論体系を構成できることを明らかにしたが、株式会社法の基本槻念の諸関係を明らかにするために、平成8年度では、株式本質論の論争を分析した。 2その給果、株主と株式は直接的に対応しあう槻念でなく、資本多数決制度を介在して対応する関係にあることが明らかとなった。つまり、株式と株主、株主と資本多数決制度、資本多数決制度と株式、というトライアングルの関係が成り立っているのである。 このような関係で諸概念を捉えるとき、会社法の基礎理論を動態的論理構造をもったものとして展開できるようになった。 この成果は、11の(1)の論文で公表した。 3以上のような株式・株主・資本多数決制度相互間のトライアングル関係を前提にするとき、株式会社における利害対立は、所有と経営の分離による利害対立だけでなく、もっと複雑な形において認識できることになる。 会社の機関構成は、この複雑な利害対立構造に即したものでなければならないと考え、この複雑な株式会社の利害対立構造に即して、監査役の構成原理とシステムを展開した。この監査役システムによるとき、株式会社の違法行為を包括的に掌握し、それを企業内で初期消火できる自浄体制を構築できることを明らかにした。 この成果は、11の(2)の論文で公表した。
|
Research Products
(2 results)