1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620039
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
今野 順夫 福島大学, 行政社会学部, 教授 (60006591)
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Keywords | 福祉労働 / 社会福祉施設 / 労働法 |
Research Abstract |
老人福祉施設従事者の就労実態を把握し、労働法理の再構築をめざした本研究において、今年度は、まず、従来の調査関係資料及び関連図書の収集を行った。東京都社会福祉協議会の調査結果報告など、直接的な調査資料並びに社会福祉施設運営のための実務資料などを収集し、検討を行っている。また、東北労働法研究会の「社会福祉労働者の権利」研究に出席し、全体的関連のなかで研究対象の位置づけを明確化している(この点については、現在「社会福祉労働の法的課題」というテーマで投稿中)。さらに、特別養護老人ホーム2ヵ所及び管轄行政機関(社会福祉協議会を含む)でのヒアリングを通じて、翌年度の施設及び従事者に対する調査の準備をしている。 施設従事者の労働条件は、設置形態によって大きな差異があり、措置費の意味が大きいこと、さらに民営化によるシルバーサービスとの区別を、労働の性格からいかに位置づけていくかが問題である。生存権の担い手という性格から、労働法理構成のなかで、両者(社会福祉施設従事者とシルバーサービスなどの「福祉労働」者)を、いかに区別して、位置づけていくかということに腐心している。また、施設労働者とホームヘルパー等の在宅福祉労働者との法的差異、さらにボランティア従事者との差異等、関連する従事者の権利と義務(責任)との関連をも明確にするよう、調査項目を整理し、かつヒアリングを重点化していく準備をしている。 調査の準備のために時間と費用の多くが費やされた今年度の準備の上に、来年度は早期に調査に入る予定である。
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