1996 Fiscal Year Annual Research Report
刑事法の領域における国際人権条約の適用とその国内法への影響
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07620045
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
芝原 邦爾 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60030615)
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Keywords | 国際人権条約 / 国際刑事裁判所 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ヨーロッパ人権裁判所の裁判例、ヨーロッパ人権委員会の決定、国連人権規約委員会に関する先例等の資料等の分析、関係者との面談・意見交換等を行った。この問題と関連して、国際刑事裁判所設立の問題についても研究を行い、その一部を論文として発表した。 常設国際刑事裁判所設立の議論は、1995年と1996年に国際連合による国際刑事裁判所設立準備会議が開催されるに及んで、活発になされるようになった。この問題に関連する論点は多岐にわたるが、主として(1)その基本的理念である「補完性の原則」、(2)国際刑事裁判所が審理することのできる対象犯罪の種類と内容、(3)国際刑事裁判所が具体的事件について管轄権をもつための要件、(4)国際刑事裁判所の刑事手続と各国の国内刑事手続との関係等が問題となる。この問題は、今後一層重要な問題として論議されるに至るものと思われる。同裁判所設立のための国連会議に、日本代表の一員として参加したため、必要な資料を入手することができた。また各国代表との意見交換等をとおして問題の検討を行うことができた。
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[Publications] 芝原,邦爾: "国際刑事裁判所の設立" 法学教室. 194号. 68-72 (1996)
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[Publications] 芝原,邦爾: "The Criminal Liability of Government Officials" H.Epp(ed.) Crime by Government. 233-237 (1995)