1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07630027
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 文和 北海道大学, 経済学部, 教授 (70113644)
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Keywords | 地下水汚染 / 地質汚染 / 有機塩素系化合物 / スーパーファンド / 浄化 |
Research Abstract |
全国に広がる地下水汚染は地質汚染の一環としてとらえることが必要である。全国の地下水汚染は減少傾向にあるといわれるが、都市部では依然として続いている。本研究では、現在までに明かになった主として有機溶剤による地質汚染を、地域別、産業原因別に分類した。 さらに今日までの有機塩素系化合物の有害性に関する知見をまとめ、地質汚染を浄化する意義を4点にわたり整理した。その浄化への取り組みの現状と問題点を、国レベルと地方レベルで検討し、国レベルでは浄化の責任主体と費用負担などの制度的問題が解決していない現状を示した。 これに対し、地方自治体において、汚染機構解明を技術的財政的に援助する千葉県の制度や、日本型スーパーファンドといわれる神奈川県秦野市の地下水汚染防止浄化条例等の先進的取り組みを紹介分析し、今後の課題として、土地所有者の浄化責任問題を検討した。 結論として、地質汚染の重大性と浄化の意義をふまえ、早急に国レベルにおいて、地下水汚染と土壌汚染を統合した地質汚染の防止と浄化の制度をつくりあげていくべき点を強調したい。
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[Publications] 吉田文和: "地質汚染と浄化制度" 人間と環境. 21巻. 142-153 (1995年)
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[Publications] 吉田文和: "技術は地球環境問題を解決するか" 経済と社会. 3巻. 28-50 (1995年)
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[Publications] 細田衛士編: "持続可能性の経済学" 慶応通信社, 210 (1996)