1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本自動車企業の海外進出に伴う地域経済の空洞化に関する調査研究
Project/Area Number |
07630043
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤原 貞雄 山口大学, 経済学部, 教授 (10034878)
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Keywords | 自動車 / 国際化 / 海外進出 / 海外調達 / 地域経済 / 空洞化 / トヨタ / ホンダ |
Research Abstract |
本研究は、日本自動車産業をとりあげ、その海外進出が国内に与える影響を分析しようとするものである。 本年度は、自動車企業の中では最も早くグローバル化を遂げた本田技研工業と日本最大の自動車企業トヨタ自動車、およびシェア劣位企業としてマツダの主要工場所在地を中心に地域経済の空洞化に関する現地調査を行なった。 それと平行して、通産省自動車課、日本自動車工業会、同自動車部品工業会、自動車総連、日本機械輸出組合、日本貿易振興会においてヒヤリング及び資料収集を行った。 *本田技研工業関連=東京本社および狭山工場、浜松製作所、鈴鹿製作所において調査を行った。親会社工場、下請け企業(八千代工業、金田工業、東京シート)、埼玉県庁、狭山市役所、狭山商工会議所、静岡県庁、浜松商工会議所、鈴鹿市役所、鈴鹿商工会議所において、ヒヤリングを行った。 *トヨタ自動車関連=豊田市、豊田市図書館、愛知県庁、愛知県経済研究所、愛知県中小企業団体中央会、(財)中部産業・労働政策研究会、全トヨタ労連、豊田商工会議所において、ヒヤリングを行った。 *マツダ関連=マツダ本社、下請企業(西川化成)、広島市、広島商工会議所、広島県中小企業団体中央会、広島大学経済学部付属地域経済研究所において、ヒヤリングを行った。 初年度調査によって以下の点が明らかになった。(1)地域経済の空洞化を外形的に観察することは難しい。(2)地域経済の空洞化は、自動車企業の海外進出に起因するものであるかどうかを検証することは難しい。バブル崩壊以後の不況による自動車販売の伸び悩みによる影響と区別できない。(3)地域経済の反空洞化政策は、県レベルでは意識されているが、地元の市レベルでは意識されていない。(4)本社には雇用維持という意識はきわめて強い。(5)定量的に空洞化を実証できる資料を得ることはきわめて困難である。
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