1996 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアと日本の航空輸送業の費用関数の推定とその比較
Project/Area Number |
07630060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
衣笠 達夫 流通科学大学, 商学部, 教授 (30186283)
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Keywords | 公企業 / 公益事業 / 規制緩和 / 生産性 / 規模の経済性 |
Research Abstract |
平成8年度 実績報告書 公企業の民営化・規制緩和は全世界的な潮流であり、わが国もその例外ではない。しかしまた余りに急激な規制緩和も行き過ぎであるとの評価をまぬがれない。本研究は大規模な産業の規制緩和の1つである航空輸送産業の,規制緩和の前後の生産性の分析を3カ年かけて行なうものである。オーストラリアと日本の航空輸送産業は長い間、政府規制の対象とされており、最近、ほぼ同時期に規制緩和された。しかし規制緩和の前後を通じていぜんとして主要企業の3社体制をほぼ踏襲しており、新規参入企業も今のところまったくない状況である。 昨年度は、日本の同産業と規模が似ているオーストラリアの同産業のデータを収拾するとともに、データのシェイプアップを行なった。さらに、詳細な分析の前段階として作表・作図等による簡単な分析と、規模の経済性や範囲の経済性の適切な分析指標をさがした。本年度は、昨年度の結果を用いて日本の同産業のトランスログ型の費用関数の推定を行なうとともに、オーストラリアの同産業のコブ・ダグラス型の費用関数を推定を行なった。本年度の研究の結果、両国とも規制緩和の後、平均費用が上昇しており、これは規制緩和の直接の影響のためであり、規模の経済性が小さくなっているためであることがわかった。さらに企業ごとの技術進歩の分析も行なったが、規模の小さな企業ほど技術進歩の大きな影響を受けていることがわかった。次年度は最終年度であり、これまでの結果を用いてオーストラリアの同産業のトランスログ型の費用関数の推定を行ない、総まとめを行なう。さらにもっと規模の大きな同産業を持つ国(米国)や規模が小さくとも乗入れネットワークのもっと大きな国々(ヨーロッパ)にも応用できるように検討したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 衣笠達夫: "Flexible Cost Function Estimate on Japanese Aviation in Transition State" 流通科学大学流通科学研究所 Working Paper. No.20. (1996)
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[Publications] 衣笠達夫: "Shumpeterian Hypothesis and Technical Change" International Journal of Social Economics,. Vol.24,No.1-3. 112-119 (1997)
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[Publications] 衣笠達夫: "Privatization on Australian Aviation Industry" Journal of Public and Cooperative Economics,. Vol.62,No.1. 41-48 (1997)
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[Publications] 衣笠達夫: "日本の航空輸送産業の規制緩和" 流通科学大学論集 流通・経営編. 8巻3号. 1-17 (1997)