1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07630068
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保 亨 信州大学, 人文学部, 教授 (10143520)
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Keywords | 中国経済史 / 企業経営 / 株式会社 / 合股制 |
Research Abstract |
前年度に収集した資料の分析結果を踏まえ、20世紀中国の企業経営に関する総合的な考察を行うとともに、全般的な研究文献目録を作成し、以上の内容を掲載した研究成果報告書を刊行した。本研究により明らかになったことを要約して示せば、下記の通りである。 まず第1に、企業の経営形態について。当初は合股制と呼ばれる伝統的な企業経営のスタイルが支配的であり、調達できる資金の量は限られていた。その結果、多額の借入金によって経営を続け、利子負担が経営を圧迫した事例も多い。しかし有限責任の株式会社制度のメリットを十分に生かした企業も成長していた。「合股制から株式会社制へ」という趨勢が確認されるのである。 第2に、製造業分野の技術開発をめぐる姿勢について。外国の技術を積極的に導入・模倣する路線をとった経営者もいれば、技術の自主開発に執着し、その努力を積み重ねた経営者もいた。企業の自己革新の努力を惜しまなかった経営者と、そうした問題意識が希薄だった経営者という2つのタイプを分けて考える必要もある。 第3に、企業経営者の世代と出身に着目すると、伝統的な知識人の世界につながる部分が多かった第1世代、商取引もしくは金融関係の仕事から出発し、そこで得た資金や経験を基盤に近代企業設立に進んだ第2世代、相当高いレベルの近代的教育を受けてきており、中には留学生出身者も含まれた第3世代に大別できる。
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