1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07630086
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
滝川 好夫 神戸大学, 経済学部, 教授 (30135777)
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Keywords | 公共性 / 投機 / バブル / 情報の非対称性 / 銀行 / 規範的分析 |
Research Abstract |
本年度は銀行がなぜ投機活動を行うのかをゲーム理論を用いて検討した。銀行の規範的行動を考えるとき,(1)銀行はなぜ投機活動を行うのか,(2)投機によい投機と悪い投機があるのか,(3)投機の存在は市場を安定化させるのか,などは興味深い問題である。本年度の研究から得た知見は次の通りである。 (i)バブルはあらゆるプレイヤーによる完全に合理的なペイオフ最大化行動から生じる。 (ii)玄人が売材料を入手したにもかかわらず買行動をとり,素人をバブルの犠牲にしてより高い利得を得ようとするのは玄人がbad peopleであるからではなく,それが単に自己の目的関数を最大化するからである。売材料を入手したにもかかわらず買行動をとるのはある利得行列のもとでの玄人の合理的判断であり,バブルは玄人の合理的行動の結果として起こり得るのである。 (iii)“bubble"が生じるのは売材料が生起する事前確率の大きさが小さいからであり,すなわち,「不確実性」が高いからである。「情報の非対称性」は玄人をして素人からspeculative bubble profitsを搾取する行動をとらせるのである。
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Research Products
(1 results)