1995 Fiscal Year Annual Research Report
非営利組織(大学図書館)における意思決定とリーダーシップの研究
Project/Area Number |
07630101
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Library and Information Science |
Principal Investigator |
永田 治樹 図書館情報大学, 図書館情報学部, 助教授 (40124200)
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Keywords | 大学図書館 / 意思決定 / リーダーシップ / 経営管理 |
Research Abstract |
本研究は、大学図書館運営における意思決定とリーダーシップについて、従来の静態的研究(大学図書館の内部組織と館長職などの分析)に対して、主としてフィールドサーチの手法により把握するものである。本年度においては,各大学図書館の訪問調査とそれを補うアンケート調査を実施し、来年度においてはそれらを集約・分析するという2年計画である。 本年度の訪問調査に協力を仰いだ大学図書館は、全国にわたる16大学(国立大学(8)、公立大学(2)、私立大学(6))である。訪問調査では、図書館長並びに事務部の長に原則として別々にインタビューを行い、大学図書館の意思決定機関に関し、制度の確認とともに、運用面については具体的な例示により把握し、続いて両職がそれぞれリーダーシップをどのように発揮しているか調査した。しかし2、3の大学の調査を終えた段階で、大学図書館が大学(上位システム)においてどのように位置づけられ、またサブシステムとしてどのようなメカニズムを構成しているかというシステム論的視点が有効と考えられたため、それ以降、特にシステムの維持・発展のために必要な情報の収集活動や主体的な政策企画の側面からの聞き取り調査となった。 フィールドノートをとりまとめ、大学図書館というサブシステムの形態や意思決定パターンの観点などから、結果の集約を行った。なお、今回の調査で注目を引いたのは、近年の情報環境の急激な変化にあって、大学図書館というサブシステムの位置づけの再検討(例えば、大学図書館と計算機センターの協力関係の構築や組織的コンバージェンス)である。 また、訪問調査を踏まえてアンケート調査の設計を行い、調査票を作成した。ただし、調査の実施については、一部大学の訪問調査時期が平成8年3月となったため、人事異動などの関係を配慮して平成8年4月に行う。
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