1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07630109
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Research Institution | REITAKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中野 千秋 麗澤大学, 国際経済学部, 講師 (40255170)
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Keywords | 倫理的意思決定 / 企業倫理の確立 / 企業倫理の制度化 / 倫理的社風(もしくは倫理的企業文化) |
Research Abstract |
平成8年3月末までに、企業倫理の確立に向けて努力を行なっている日本企業3社の管理者45人に対するインタビュー(1人につき2回ずつ、計90回)を終了、その後インタビュー録音テープの筆耕作業を進めた。この作業に予想以上の時間と労力を要したが、この作業も平成9年3月頃までには終えることが出来そうである。 この間に得られた知見の一部を、平成8年6月に「日本における企業倫理制度化の有効性に関する一考察」というタイトルで組織学会において、また同論文の英語版"Is the Effort at Institutionalizing Ethics Effective? : Case Studies from Japan"を同8年7月に開催された第1回経済倫理世界会議(於、千葉県柏市、モラロジー研究所)において報告した。いずれの報告も「11、研究発表」に記した論文にまとめることができた。 その主な内容は以下のように要約することができる。 1、日本の企業管理者の倫理的意思決定に最も重要な影響を及ぼす要因として「会社の方針・風土」があげられる。 2、したがって、ビジネスマンの倫理性を向上する上で、会社として企業倫理の確立に向けて組織的に取り組むこと(企業倫理の制度化)が極めて重要な課題となる。 3、しかし日本では、フォーマルな形での企業倫理制度化の取り組みは未だ極めて低調であり、従業員は、インフォーマルな会社の風土から様々な意味を読み取り、それを行動の基準とする傾向にある。 4.結論として、日本企業は、より意識的に「倫理的な社風(倫理的企業文化)の醸成」に努めると共に、それと整合性をもったフォーマルな形での「企業倫理の制度化」に取り組むことが必要である。 なお、この研究の成果を英文で発表するために、筆耕原稿の一部の英語への翻訳作業(米国業者へ外注)を進めている。
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[Publications] 中野千秋: "日本における企業倫理制度化の有効性に関する一考察" 組織科学. 第30巻第2号. 59-60 (1996)
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[Publications] Chiaki Nakano: "Attempting to Institutionalize Ethics : Case Studies from Japan" Journal of Business Ethics. 近刊(アクセプトの通知はあったが、いつになるかは未定).